人がやってくれると思わない。自分で動く。 そう決めるだけで、仕事はずいぶん楽になる。
「やってくれているはず」と思うから、
やっていないとイライラする。「なんでやってないの?」
と心の中でつぶやく。
けれど、最初から人をあてにしなければ、感情は揺れない。
気づいた人が動く。動ける人が回す。
小さな会社は、そのくらいのほうが、ちょうどいいのかもしれない。

専務とパート社員との朝のミーティング。
機械加工中は電話を取り次がないでほしい、という要望があった。
仕入先なら後から折り返せばよい。
営業の電話ならお断り。
お客様や問い合わせの電話のみ取り次いでほしいとのこと。
確かに、とパート社員は納得した。
実はこれまでも、「機械加工中です」と伝えて、営業や仕入先の電話は取り次いでいなかったのだが、改めて方針がはっきりした。
さらに、お客様からの修理依頼品の着荷後の流れについても確認があった。
バラシ作業が後回しになれば、急いでいるお客様は不安になる。
そこで専務が一手に引き受け、作業の合間に見積対応も進めるという。
忙しくなりそうだが、早めの対応ができれば、お客様の安心につながる。
朝の数分の打合せが、今日の動きを整えていくのだと、パート社員は感じている。

朝の打合せが、少しずつ内容の濃いものになってきた。
パート社員と専務とのやりとり。
「これはこうです」と報告すると、「じゃあ、これも調べておいて」
「今日の業務はこれを優先しよう」
「今月はこのお客さんと、このお客さんの分を出荷しようかな」 話がどんどん波及していく。
内容が多くて、頭の中が「?」になることもある。
でも、後から個別に聞き直すより、最初に方向性が見えているほうが動きやすい。
「これ、やるって言ってましたけど、どこまで進みました?」
「あれ?途中から変わったんですね!」そんな会話も自然に生まれる。 情報が共有されているからこそ、会話が広がる。弾む。
朝の打合せは、ただの確認の場ではなく、会社の流れをつくる時間なのかもしれない。

昨日出荷したシリンダー。
行き先は新潟県だったため、雪や天候の影響で遅延があるかもしれないな…と
パート社員は少し気にしていた。
念のためネットで配達状況を確認すると、本日午前中には「配達完了」の表示。
無事に届いたようで、まずはひと安心。
そう思っていると、事務所の電話が鳴った。 社長宛ての用件かな、と思いながら電話に出ると、
「シリンダー、受け取りました!ありがとうございます」
と、お客様の声。それだけ言って、電話は切れた。
納品の連絡は必須ではない。確認があれば、こちらからも分かる。
それでも、わざわざ一本電話を入れてくれたことが、
パート社員の心には残った。
忙しい中でのほんのひとこと。そのひとことが、「無事に仕事が終わった」と 実感させてくれる。丁寧なお客様だなぁ。電話を置きながら、
パート社員は少しだけ気持ちがあたたかくなった。
