「朝の15分」

朝、仕事が始まるまで少し時間があった。

ふと会社の外を見ると、背の伸びた草が気になる。                   「今なら少し切れるかな。」そう思い、草刈り機を出すほどではないので、
ハサミを持って伸びた草だけを切ることにした。

ほんの15分ほどの作業。それでも、見た目はずいぶんスッキリした。

まとまった時間がないと、「また今度でいいか。」
と思ってしまうこともある。でも、少しの時間でもできることは意外とある。

仕事も同じ。

空いた時間をうまく使えば、一つ仕事が片付くこともある。

朝のちょっとした時間を有効に使えて、
気持ちよく一日をスタートできたパート社員であった。

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「わざわざ階段を上がって」

得意先の方が来社された。社長や専務と打ち合わせをされていて、
私は事務所で仕事をしていた。

事務所は2階にある。

しばらくすると、誰かが階段を上がってくる音がした。                「こんにちは~」声を掛けられたので事務所から顔を出してみると、
先ほど社長と話をしていた得意先の方だった。                    「あれ?どうされました?」と思っていると、

わざわざ私に挨拶をしに来てくださったのだ。

普段は電話やメールでやり取りをすることはあっても、
こうして顔を合わせる機会はそれほど多くない。

わざわざ2階まで来ていただき、こちらも何だか恐縮してしまった。           そこで私は、                                    「メールを送るように頼まれて、いただいたメールの内容を社長に伝える伝書鳩です。」    と挨拶しておいた。

すると笑ってくださり、和やかな雰囲気に。普段は裏方の仕事が多い。           それでも、お客様とのやり取りの積み重ねで、
顔と名前を覚えていただけるのはありがたいことだと思う。

ちょっとした挨拶に、少し嬉しくなったパート社員であった。

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「大人の対応」

「ここに置いたじゃん!」社長が探し物をしながら言った。               どうやら、私の机の上に資材か何かを置いたつもりらしい。               しかし、私はその記憶がない。「私の机にはなかったと思いますよ。」           そう答えても、「どこに片付けたんだ!」と返ってくる。

こちらも内心では、「いやいや、見てもいない物を片付けられないでしょ!」         と言いたくなる。正直、だんだんイライラしてきた。                  本当なら強い口調で言い返したかったくらいだ。                    しかし、その日は事務所に銀行さんや税理士さんが来ていた。              社内の人だけならともかく、お客様や関係者がいる前で感情をぶつけるのは       違う気がした。ぐっとこらえて対応していると、                    銀行さんから「よく怒りませんね!」と言われた。                    そこで私は、                                   「怒れるよ~。でも会社以外の人がいるのに、あんまり感情むき出しにはできないよね。」 と答えた。大人の対応である。…と言いたいところだが、                本当は血管が切れそうなくらいイライラしていた。

そして後になって、その探し物は事務所ではない場所から見つかった。          どうやら、「私の机に置いた」というのは社長の思い込みだったのかもしれない。

人の記憶というのは意外とあてにならないものだ。だからこそ、「絶対に置いた」     ではなく、「置いたつもりかもしれない」くらいの気持ちで確認することも        大切なのだと感じた。

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「どっちを優先する?」

資材の手配を進めていた時のこと。見積を比較すると、 ある仕入先は資材代のみで    配達してくれる。もう一方は送料がかかるものの、納期が早い。

私なら、「少し単価が高くても、送料がかからない方がいいかな」と思っていた。          ところが社長の考えは違った。                            「早く欲しい。」「送料がかかってもいいから、そっちに変えろ。」とのこと。

なるほど、確かに納期を考えればその選択もある。ただ、話を聞きながら思った。      「もう仕入先も手配を始めているじゃん!」急いで手配先を変更するのも簡単ではない。   結局、先に発注していた仕入先へ連絡し、「納期を少し早められませんか?」        と相談することになった。

幸い調整ができそうで、手配先を変更することなく進められそうだ。           単価を優先するのか。送料を含めた総額を優先するのか。                それとも納期を優先するのか。

正解は一つではない。その時々で何を大事にするかが変わるのだと感じた        パート社員であった。

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「思い込みは怖い」

中学校の検診で、再度検査を勧められた娘。                      予約を取り、病院へ連れて行くことになった。                     その病院は以前にも行ったことがある。 場所も分かっている。

予約時間までは少し余裕があったので、
途中でちょっと寄り道をして向かうことにした。

そして、「ここで曲がれば病院の前に出るはず!」と勝手に思い込み、
カーナビも見ずに進んでいった。

ところが、「あれ?」何となく景色が違う。 見覚えがあるような、ないような。

それでも予約時間には余裕がある。そのまま進んでいると、
病院の近くでようやく気付いた。 「私、この道を走って来るつもりだったのに!」

どうやら頭の中の地図と、実際の道がずれていたようだ。

地元だから大丈夫。知っている場所だから大丈夫。 そう思っていたのが原因かもしれない。

幸い予約時間には間に合ったので、大きな問題にはならなかった。

それでも、思い込みというのは怖いものだ。

仕事でも、「前もこうだったから」「たぶん大丈夫だろう」 そんな思い込みからミスにつながることがある。

たまには確認することの大切さを、改めて感じたパート社員であった。

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「片付けたいけれど」

事務所を見渡すと、気になる物がいくつかある。 買ったまま使われていない物。いつか使うのだろうかと思う物。 箱に入ったまま置かれている物。

片付けてしまいたい気持ちはある。しかし、困ることもある。 それが、その物が本当に不要なのか分からないこと。

自分にとっては不要に見えても、
誰かにとっては必要な物かもしれない。

勝手に処分してしまって、後から困ることになってもいけない。 だから、本人が事務所へ来た時に、 「これは要りますか?」「こちらは使いますか?」 と、一つずつ確認するしかない。

聞く方も手間だが、聞かれる方も面倒かもしれない。 それでも、必要な物と不要な物を分けなければ、
事務所はなかなか片付かない。

少しずつでも整理して、使いやすい事務所にしていきたいと思う。

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「雨が降る前に」

社内の草木が伸びてきた。草というより、
もはや木ではないかと思うほど。背も高くなってきたので、
横に伸びた枝を払い、高さも低くすることにした。                   切る作業は昨日のうちに終わった。

ただ、切った枝葉はそのまま地面に置いたまま。「明日片付ければいいか。」          そんなふうに思っていたのだが、天気予報を見ると何だか怪しい。            空もどんよりしている。これは雨が降るかもしれない。                 そう思い、慌てて枝葉を集めてゴミ袋へ。濡れてしまうと重くなるし、
ゴミ出しもしにくくなる。

少し面倒に感じても、気付いた時にやっておく方が結局はラクなのだろう。         雨が降る前に片付けることができて、ひと安心した。

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「電話の受け方も変わった?」

お客様から依頼をいただき、資料をFAXで送った時のこと。                    無事に送信できたので、念のため電話で連絡を入れた。

電話に出られたのは女性の方。                           「先ほどFAXをお送りしましたので、ご確認をお願いします」              そう伝えると、「はい。」返事はそれだけだった。                    そのまま電話は終了。

もちろん、用件は伝わっている。

担当者へ伝えてくれたのかもしれないし、
忙しい時間帯だったのかもしれない。

ただ、少しだけ考えてしまった。一昔前なら、                     「承知しました」「担当へ申し伝えます」                       そんな一言を添えるように教えられたのではないだろうか。               会社の代表として電話に出ているのだから。そんな考え方が当たり前だったように思う。

今の時代は、電話よりもメールやチャットでやり取りすることも増えた。          電話対応に慣れていない人もいるだろう。                       だから、今回の対応が間違っているとは思わない。

ただ、電話は相手の表情が見えない。                             だからこそ、「承知しました」の一言があるだけで、
相手は安心できることもある。                            もしかすると、そう感じる私の考え方が少し古いのかもしれない。

それでも、電話の向こう側の相手が安心できるような対応は、
これからも大切にしたいと思った。

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「やるしかない」

お客様から再見積の依頼が入った。

見積資料のバインダーを開き、半年前の資料を引っ張り出す。 「あった、あった。」 そう思って内容を確認すると、見積項目がとにかく多い。

材料。加工。購入品。外注費。 一つひとつ見直していかなければならない。 さらに、半年前の単価が今も同じとは限らない。

再度、仕入先へ見積依頼をかける必要がある。 考えただけでも、かなりの時間がかかりそうだ。 正直なところ、気が重くならないと言えば嘘になる。

それでも、再見積の先には受注があるかもしれない。 注文につながる可能性があるからこそ、手間がかかってもやるしかない。

一つずつ確認しながら、見積作成を進めていこうと思うパート社員であった。

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「まねしてみた」

少し時間ができた時のこと。いつもの私なら、次の作業に取りかかる。

しかし、その作業は途中でお昼休憩に入ってしまい、
中途半端なところで止めることになる。

そこでふと思い出した。以前、専務が言っていた。 「できる人が、できる時に動いておけば、あとがラクじゃん!」

それならばと、空き時間で終わらせることができそうな別の作業をすることにした。

時間はそれほど多くない。それでも集中して進めると、
ちょうどその時間内で一つの作業が完結した。

中途半端に終わることもなく、午後からは次の仕事にすぐ取りかかれる。

少し先を考えて動くだけで、仕事の進み方は変わるものだと感じた。

専務の考え方を少しまねしてみたら、思った以上にうまくいった。

たまには人のやり方を取り入れてみるのも大切だなと思った

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