社員が「もうこんな時間!1時間があっという間!」とつぶやいていました。確かに時間は誰にでも平等に与えられていますが、その感じ方は人それぞれです。集中していると短く、待ち時間は長く…。同じ1時間でも、使い方次第で大きな違いを生みます。だからこそ、無駄にせず、価値ある時間に変えていく工夫が大切。小さな積み重ねがやがて成果となり、自分自身の成長や会社の力につながるのだと思います。
敬老の日に、社員のお母さんは「そんなお祝いはいらないよ」と笑っていたそうです。ところが誕生日を迎え75歳になると、「そろそろ敬老の日に何か買ってもらおうかな」と冗談めかして言ったとか。実際、年齢で区切るよりも、その人の気持ちや家族との関わり方で意味合いが変わるのかもしれません。社員は「敬老の日って何歳からなんだろう」とつぶやいていました。大切なのは年齢よりも、感謝や労わりの気持ちを伝えることだと感じます。
入荷した資材を納品書と照らし合わせていた社員が、「えっ、こんな小さな部品が100円以上?」と驚いていました。爪の先ほどの大きさなのに、10円くらいだと思っていた部品が100円、さらには1000円を超えるものまで。思わず「製品が高くなるのも当然だな」と納得してしまったそうです。普段は気にも留めない小さな部品ですが、それぞれに役割があり、製品の品質を支えています。見えない部分の積み重ねが、ものづくりの信頼につながっているのだと改めて感じました。
天気の良い日は、作業服の洗濯日和です。真夏の現場では汗が滝のように流れ、干した作業服もあっという間に乾いていきます。社員の皆さんの働きは、日々こうした小さな努力の積み重ねの上にあります。気持ちよく働ける環境を整えることは、会社にとっても大切な責任です。青空の下で揺れる作業服を見ながら、「今日も頑張ってくれてありがとう」という気持ちを新たにしました。
倉庫の上にハトが巣を作り、鳥が苦手な社員は大騒ぎでした。先日、出社するとヒナが落ちて死んでおり、またも騒然。「近寄れない!」と言いながらも、そのままにはできず、土を掘って丁寧に葬ってくれました。苦手なことでも、誰かが向き合わなければならない場面はあります。社員の行動に、責任感や優しさを感じました。仕事も同じで、嫌だと思うことに出会うこともありますが、そこに向き合う姿勢が組織を支えていくのだと改めて思います。
ある社員が、上司から初めての仕事を任されました。最初はiPhoneの操作も不慣れで不安でしたが、手順を学び、格闘すること1時間。無事にやり遂げたときには「これは自分の仕事だ」と感じたそうです。もし上司が対応していれば、その間に機械加工が進められたはず。任せることで組織全体の効率も上がります。とはいえ、仕事を任されて嬉しい社員もいれば、負担に感じる社員もいるのが現実。一般的には“嬉しい”が約6割、“嬉しくない”が3割程度だそうです。信頼と成長のチャンスとして任せる工夫が、組織の力を高めるのだと思います。
ある社員が「仕入先の電話応対が気になった」と話していました。自社の人を“さん”づけで呼んだり、「お戻りになると思う」といった不自然な表現に、違和感を覚えたそうです。最近は電話よりもメール中心になり、言葉のやりとりが減っているからこそ、応対に違和感を持ったのかもしれません。本人も「自分も完璧ではない」と言いながら、「人の振り見て我が振り直せ」。と振り返っていました。社員の気づきから、私たちも一人ひとりの言葉を磨いていきたいと思います。
昼休み、社員同士の会話で心に残った話があります。高齢の義父と外食に出かけたとき、義父が「いつもの!」と言ったそうです。お店の人には伝わらなくても、隣にいた家族にはすぐに通じる――その関係性に安心を覚えたといいます。何気ない言葉を理解し合えることは、家族ならではの絆かもしれません。社員の一人が、母が「いつもの!」と言ったときに、同じように理解できるだろうか?と言っていました。仕事の現場でも、言葉を超えた信頼関係を築いていきたいものです。
現場の仕事でも「準備8割、実行2割」と言われます。工具の点検、部品の確認、作業手順の共有――これらを怠れば、思わぬトラブルにつながります。逆に、しっかりと準備を整えておけば、作業は驚くほどスムーズに進みます。成果を出す裏側には、目立たないけれど大切な準備があります。私たちはその積み重ねを大事にしながら、日々の現場を支え続けたいと考えています。
10月から、お弁当屋さんの価格が上がるそうです。原材料や光熱費の高騰が背景にあり、 私たちの昼食にもその影響が及んでいます。値上げは正直つらいですが、作り手も苦しい状況の中での決断だと思うと、ただ不満を口にするだけでは終わらせられません。私たちの会社も同じで、社会の変化を受け止め、どう価値を守り提供していくかが問われています。お弁当から学ぶことは、経営にも少なくありません。